
小児の矯正治療といえば、プレオルソと床矯正が代表的です。
プレオルソと床矯正は、一般的な歯列矯正とは異なる治療ですが、矯正治療を受けることでどのような効果があるのでしょうか?
今回は、プレオルソと床矯正の矯正治療の効果に加え、そもそも、何を対象として矯正しているのかということを解説します。
プレオルソの治療の効果
プレオルソは、単に歯並びを改善するだけではありません。
口呼吸の癖がある場合には鼻呼吸に改善し、口の周りの筋肉を鍛えることもできます。
また、嚥下や発音に関して舌の使い方を訓練したり、顎の成長を促したりすることも可能です。
プレオルソの対象は、大人ではなくまだ成長中の子供です。
子供の将来に必要な口の機能などを得られるような治療内容となっています。
特に、口をぽかんと開けているために口呼吸になってしまう症状を改善するため、よく用いられています。
不正咬合や歯列の乱れなどの原因となる口呼吸を改善することができるプレオルソは、成長期の子供にぴったりの治療といえるでしょう。
しかし、計画的な顎の幅径拡大、細かく1本単位で歯を動かすなどの治療には向いていません。
細かい歯の位置の調整などが必要な場合は、プレオルソでの治療を終えた後で歯列矯正を受ける必要があるでしょう。
床矯正の治療の効果
床矯正装置は、床部(プレート)と呼ばれるプラスチックに近い薄い材料部分に、クラスプと呼ばれる歯にかける金属のフックがついています。
床部は真ん中で二つに割れており、中心部に拡大ネジと呼ばれる手動のスクリューがついています。
スクリューを専用のキーで回すと床部の割れ目が開き、少し横幅が広くなるのです。
広げた状態で装着していると、床部が歯並びを横に少し押していきます。
一定の日数ごとに少しずつ広げていくことで、歯並びが拡大していきます。
1回の操作で、0.25mmほど横に広がっていくでしょう。
例えば、1週間に1回拡大操作を行うと、大体1か月で1mm歯並びを拡大することが可能です。
拡大床矯正装置で広げる際は、奥歯が横に傾斜しすぎないように気を付けて行うため、症例にもよりますが、6~8mmが広げる限界となるでしょう。
顎が広がることで顔の形も変わるのではと心配する人もいますが、床矯正では骨格が変わらないため、歯並び以外に影響はありません。
まとめ
プレオルソと床矯正は、効果のある対象が異なります。
プレオルソは口の機能を改善する効果があるため、口の周囲の筋肉の発達を促し、口呼吸の場合は鼻呼吸に改善するのを助けます。
口呼吸は、不正咬合の原因となり、虫歯のリスクも高めるため、プレオルソによる矯正が効果的です。
床矯正は、歯並びを内側から押し広げていく装置です、
広げるのは歯並びだけであり、骨格には影響しないため、顔の形が変わることはありません。