子どものときに行う小児矯正は、単に歯並びを整えるために行うのではありません。
永久歯への生え変わりをサポートして、上下の顎のバランスや成長も整えるために行うのです。
小児矯正は成人矯正と比べて後戻りが少ないといわれています。
小児矯正は後戻りが少ないのか解説します。
小児矯正は後戻りしにくいのか
歯列矯正を受けた後、一度動かした歯が元の場所に戻ろうとする「後戻り」という現象が起きることがあるでしょう。
矯正治療を終えたばかりのときはきれいな歯並びになっていたのに、「だんだん隙間ができてきた」「ずれている歯が出てきた」という場合は、後戻りが起きています。
後戻りは治療の失敗ではなく、当たり前に起こることです。
そのため、後戻りは起こるものとして適切なケアをしなければなりません。
小児矯正は成人矯正とは違い、顎の成長に合わせて歯を動かしていくため、正しい位置に永久歯が動くよう導いています。
無理に動かしているわけではなく、正しい位置まで案内しているだけであるため、成人矯正と比べて後戻りすることは少ないのです。
また、小児矯正には顎を拡大するという処置もあります。
しかし、大人の場合はすでに成長が終わっているため、顎を広げることはできません。
小児矯正は、自然と歯がきれいに並ぶことができるように、顎を広げて十分なスペースを確保できるため、後戻りも起こりにくいのです。
小児矯正で後戻りする原因は?
小児矯正は後戻りしにくいものの、絶対にしないというわけではありません。
何が原因で後戻りするのか解説します。
子どもは骨格が成長途中にあります。
成長に伴って歯並びや顎が変化してしまい、後戻りすることがあるのです。
また、指しゃぶりなど歯列に対して悪影響となる習慣がある場合は、歯が押されて移動してしまうことがあり、後戻りにつながるかもしれません。
15歳頃に親知らずが生えてくることがありますが、横向きに生えてきた場合には、歯列が押されて乱れてしまい、後戻りすることもあるでしょう。
また、治療後に歯並びがきれいになっても、油断して十分なメンテナンスや管理を行っていなければ、後戻りしてしまうかもしれません。
定期的なメンテナンスや歯科検診を受けることで、後戻りなどのトラブルを早期発見できるため、対処して防ぐことが肝要です。
まとめ
小児矯正は、成人矯正と比べて後戻りが少ないといわれています。
その理由は小児矯正で歯を動かす際の仕組みにあります。
小児矯正は顎の成長に合わせて歯を動かしていくため、力づくで動かしていく成人矯正とは異なるのです。
しかし、指しゃぶりや親知らずの生え方などが原因で歯列が押されると、後戻りが起こりやすくなるため注意してください。
矯正治療後に歯科検診やメンテナンスを定期的に受けていない場合にも、後戻りしてしまいます。