
歯は歯茎の上に見える歯冠と、歯茎の中に埋まっている歯根という2つの部分に分かれています。
人によっては歯茎が下がり、歯根部分が露出してしまうことがありますが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
歯茎が下がる原因を解説します。
歯茎が下がるのはなぜ?
歯は歯茎の中にある歯槽骨という骨に埋まって支えられています。
見えている部分の下にもまだ歯がつながっているのです。
歯茎が下がることを歯肉退縮といいます。
歯肉退縮が起こる原因はいくつかあり、多くの人に起こるため、それほど珍しい症状ではありません。
歯肉退縮が起こる原因として多いのが歯周病です。
歯茎や歯槽骨をはじめとする歯周組織が破壊されてしまうため、歯茎が下がってしまうのです。
歯周病になると、歯茎が腫れたり赤くなったりして、押したときに痛みが生じたり、出血したりすることがあります。
他の原因として考えられるのが、歯磨きです。
歯磨きの方法が間違っていたり、強く磨きすぎたりしたために、歯茎が下がることもあります。
また、口内のケアが不十分な場合や、喫煙の習慣がある場合には、歯茎にダメージを与えてしまうため、下がるかもしれません。
ほかに、遺伝やホルモンバランスの変化、加齢なども歯茎が下がる原因として挙げられます。
これらは対処が難しい原因ですが、大抵は治療が可能です。
下がった歯茎を治療するには?
歯茎が下がった場合、治療することも可能です。
ただし、軽度の状態と重度の状態では治療方法が異なります。
軽度の歯肉退縮であれば、ディープクリーニングという処置を歯科医院で受けることで改善される可能性が高いでしょう。
ディープクリーニングとは、歯周病の原因となる歯根や歯石などを除去する治療で、歯周病が治ると歯肉も元に戻っていきます。
歯根もきちんと覆われるため、細菌が付着することも少なくなり、抗生物質によって残った細菌もしっかりと除去されます。
一方、重症の場合には、ただ歯石などを除去しても歯茎は回復しません。
そのため、別の治療が必要で、手術によって下がった歯茎を元のように戻す必要があります。
まとめ
歯茎が下がることを歯肉退縮といいます。
下がるのは、いくつかの原因がありますが、特に多いのが歯茎にダメージを与える歯周病です。
他に、ブラッシングで強い力をかけたことで歯茎にダメージを与える、口内のケアが不十分などの原因も挙げられます。
下がった歯茎は、軽度なら歯石や歯垢を除去することで改善されますが、重度の場合には手術が必要になるでしょう。