インプラント治療後の歯磨きは、天然歯と同じで構わないのか疑問に思う人もいるでしょう。
特に歯磨き粉に関しては、普通の歯磨き粉でインプラントもきれいになるのか、傷つけないか気になるかもしれません。
インプラントの歯磨き粉選びのポイントについて、解説します。
インプラントに適した歯磨き粉は?
インプラントの歯磨き粉選びには3つのポイントがあります。
まずは低研磨・低発泡の製品を選ぶことが重要です。
なぜなら、強い研磨剤はインプラント表面や歯茎を傷つけて、細菌感染の温床になってしまうからです。
また、SLSなどの発泡剤が多く含まれた歯磨き粉では泡立ちすぎて、丁寧なブラッシングを妨げてしまいます。
インプラントに傷をつけず、しっかりと歯磨きをするには、「低研磨」「低発泡」「無添加」の表示があるもの、または歯科医院専売品を選びましょう。
抗菌・抗炎症成分を配合した製品を選ぶのが2つ目のポイントです。
インプラント周囲炎を予防するためにも、細菌の繁殖を抑える成分が配合されたものを選びましょう。
推奨する成分として、クロルヘキシジン(CHX)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸などが挙げられます。
3つ目のポイントはフッ素の有無と濃度の確認です。
フッ素入りであれば、残存する天然歯の虫歯予防に有効です。
日本口腔インプラント学会でも、フッ素入りの歯磨き粉が推奨されています。
濃度は1000ppm前後の一般的な濃度なら問題ないとされますが、9000ppm以上の過度に高濃度な歯磨き粉は避けましょう。
インプラントのチタンが腐食しないか心配な人は、フッ素無配合で抗菌成分配合の製品をお勧めします。
悩んだときは
歯磨き粉選びに悩んだ場合には、インプラント治療を受けた歯科医院で自分の口腔内状態に合った歯磨き粉を推奨してもらいましょう。
歯磨き粉はあくまで口内を健康に保つための補助的なものです。
日々の歯磨きはもちろんですが、歯間ブラシやデンタルフロスと併用して定期的な歯科検診を受けることがインプラントを長持ちさせる鍵になります。
まとめ
インプラント治療後に使用する歯磨き粉を選ぶ際は、低研磨・低発泡と抗菌・抗炎症成分、フッ素の3つに注目する必要があります。
低研磨・低発泡であることはインプラントや歯茎を傷つけず丁寧に磨くために必要で、咬筋・抗炎症成分はインプラント周囲炎の予防、フッ素は天然歯の虫歯予防に有効です。
どの歯磨き粉が良いか悩んだときは、インプラント治療を受けた歯科医院で相談することをお勧めします。