保護者が自宅内でタバコを吸っている場合、子どもは否応なく副流煙にさらされることになります。
喫煙によって虫歯のリスクは増えるといわれていますが、親の喫煙は子どもに影響するのでしょうか?
親の喫煙と子どもの虫歯との間にどのような関係があるのか解説します。
親の喫煙で子どもの虫歯リスクが増える?
親がタバコを吸っていると、子どもは副流煙を浴びる機会が多くなり、健康に悪影響が生じる恐れがあるでしょう。
健康への悪影響には、虫歯リスクの上昇も含まれます。
親の喫煙によって子どもの虫歯リスクは約2倍にまで高くなってしまうのです。
虫歯リスクが高くなる原因として挙げられるのは、唾液の減少です。
親の喫煙で発生する副流煙が子どもの自律神経に影響を与え、唾液の分泌量を減らしてしまいます。
唾液の主な働きは、自浄作用、緩衝作用、再石灰化作用、抗菌作用などです。
分泌が少なくなると、唾液の持つこれらの働きが低下してしまいます。
また、受動喫煙によって白血球の働きも低下します。
免疫機能が弱まることで、虫歯の原因菌に感染しやすくなるのも、子どもの虫歯リスクが高まる原因です。
さらに、タバコの煙に含まれる成分によって口内の細菌バランスが変化し、虫歯の原因菌の増加や増殖を促す効果もあります。
加えて、副流煙を長い間吸収していると、歯肉が黒ずむという悪影響もあるでしょう。
親の喫煙への対策
親の喫煙によって子どもの虫歯のリスクが高まるのはもとより、他にもさまざまな悪影響が生じるでしょう。
悪影響を受けないために、親の喫煙にどう対策するべきか解説します。
まず、最もシンプルで効果的な対策が禁煙です。
子どもだけでなく、自分の健康のためにもタバコをやめるのが、最良の解決方法といえるでしょう。
喫煙を続けるのであれば、子どもが受動喫煙をしないように注意が必要です。
たとえ屋外や換気扇の下で吸っていても、子どもに煙がかからないように気を付けてください。
直接煙がかからなくても、髪や服についている煙が原因となることもあるため、喫煙後は服を着替えるなどの配慮も必要となります。
定期的に歯科検診を受けて虫歯の兆候がないかチェックし、フッ素を塗布して歯質を強化するといいでしょう。
まとめ
親の喫煙によって子どもが副流煙を浴びていると、子どもの健康に害があります。
その中には、虫歯のリスクが約2倍に高まることも含まれます。
副流煙によって唾液の分泌量が減少することや白血球の動きが鈍ることによる免疫機能の低下、口内の細菌バランスの変化による虫歯の原因菌の増殖などが原因です。
子どもを虫歯から守るため、煙がかからないよう注意しながら喫煙するか、禁煙することをおすすめします。