睡眠は全身の健康に大きな影響を及ぼすため、十分な睡眠をとることは快適な生活を送る上で欠かすことのできない要素です。
この「全身」の中には、当然お口の健康も含まれています。
つまり、歯をはじめとするお口の環境も、睡眠の質によって大きく左右されるのです。
そこで今回は、睡眠がどのように歯に影響を及ぼすのかを分かりやすくお伝えするとともに、睡眠を通じた歯の健康対策についても解説します。
歯科と睡眠の関係とは?
睡眠は歯科と一見無関係に思えますが、実は深く結びついています。
質の高い睡眠が口内の健康を保ち、適切な歯科治療が睡眠の質を向上させるという、相乗効果があるのです。
そのため睡眠不足に陥ると、免疫力が低下して口内の細菌が繁殖しやすくなるだけでなく、歯周病悪化の原因にもなる糖尿病などの生活習慣病リスクまで高めてしまいます。
口内トラブルの代表格である虫歯や、年齢を重ねるにつれて悩む方が増える歯周病は、いずれも細菌が原因で引き起こされる「細菌感染症」です。
睡眠不足によって体の免疫力が低下すると、これらの感染リスクが上昇するだけでなく、口内の細菌も急激に繁殖しやすくなるため、虫歯や歯周病の症状をさらに悪化させてしまいます。
また、睡眠不足やストレスによって夜間の血流が変化すると、歯の神経が圧迫されて痛みを感じることがあります。
ストレスは睡眠中の歯ぎしりや食いしばりの引き金となり、そこに噛み合わせの異常も加わると、歯の摩耗や顎関節症といった深刻なダメージを与え、最悪の場合は歯の寿命を縮めてしまう恐れもあるのです。
こうしたトラブルから大切な歯を守るためには、歯科医院で自分に合ったマウスピースを作製し、就寝中に装着するのが効果的です。
さらに、睡眠中に一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、顎の骨格や就寝中に舌の根元が喉の奥に落ち込むことが原因となるケースが少なくありません。
実は、この病気に対しても、歯科医院で作製する専用のマウスピースによる治療が非常に有効です。
十分な睡眠をとるためには、実は「今ある歯の本数」も重要なポイントです。
歯の本数と睡眠の質は深く結びついており、歯が20本以下になると睡眠時間が4時間以下の深刻な寝不足に陥るリスクが1.4倍に増大します。
もしも歯が全くなければ、10時間以上の長時間睡眠となるリスクが1.8倍高くなるといわれています。
このことから分かるように、大切な歯を守ることは、睡眠リズムを保つための鍵となるのです。
歯の健康を保つために必要な対策
睡眠中は口内の細菌が活動しやすくなるため、就寝直前の丁寧な歯磨きが最も重要な対策です。
あわせて生活リズムを改善して7~8時間の睡眠を確保し、起床後に日光を浴びて体内時計をリセットする習慣をつけましょう。
さらに歯科医院を受診し、歯ぎしり対策のマウスピースの作製や歯周病治療、噛み合わせの調整を行うことも大切です。
寝る前の口腔ケアと良質な睡眠の両立が、大切な歯を一生涯守る最大の鍵となります。
まとめ
歯と睡眠にはお互いを支え合う密接な関係があります。
健康な歯が良質な睡眠を支える一方で、十分な睡眠は虫歯や歯周病のリスクを下げるのです。
例えば、歯の本数が少なくなると睡眠の質が低下しやすくなります。
また、眠りが浅くなると就寝中の歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなり、睡眠時無呼吸症候群も睡眠を妨げる大きな原因になります。
これらを改善するためにも、寝る前の丁寧な歯磨きに加えて、生活リズム全体の改善を心がけましょう。