歯が痛くなったとき、最初に疑うのは虫歯ですが、痛みの原因はそれだけではありません。
例えば、歯の内側にある歯髄という神経が炎症を起こす「歯髄炎」が痛みを引き起こしているケースも考えられます。
歯髄炎を治療せずに放置すると、次第に痛みが激しさを増していくため、早急な対処が必要です。
今回は、歯髄炎という病気の詳細と、その具体的な治療法について解説します。
歯髄炎とは?
歯髄炎とは、虫歯の進行による細菌感染や外傷が原因で、歯髄組織に炎症が起こった状態を指します。
発症すると、ズキズキとした激しい痛みに悩まされるだけでなく、冷たいもの、熱いものが強くしみるようになり、日々の食事に支障をきたしてしまいます。
「いずれ治るだろう」と放置しても自然に治ることはなく、ただ病状が悪化していくだけです。
やがて神経が壊死してしまうと、「根管治療」による神経の除去や抜歯を余儀なくされます。
大切な歯の寿命を縮めないためにも痛みを我慢せず、自覚症状が出た時点で、できるだけ早く受診することが大切です。
急性の歯髄炎の場合、発症から2~3日で痛みがピークを迎えます。
適切な処置をせずに放置していると、一時的に痛みが消えることがありますが、これは治癒を意味するものではありません。
むしろ病状が深刻化し、神経が壊死して痛みを感じることすらできなくなってしまったサインかもしれないのです。
歯髄炎の一番の原因は、象牙質や歯髄の奥深くまで広がった細菌感染や、打撲などによる歯への強い衝撃です。
また、日常的な食いしばりや歯ぎしりによる過度な圧力、さらには深い虫歯の治療で詰めものや被せ物を装着した際の刺激が引き金となって発症するケースもあります。
歯髄炎の治療方法
歯髄炎には「可逆性」と「不可逆性」の2種類があり、どちらに分類されるかによって治療方針が大きく異なります。
炎症が軽度な「可逆性歯髄炎」は、原因を取り除けば神経を残せる可能性が高い状態です。
一方、「不可逆性歯髄炎」は元の健康な状態への回復が難しく、根管治療による神経の除去が避けられません。
歯髄炎を放置すると、細菌感染が歯の根の先まで広がり、やがて「根尖性歯周炎」を引き起こします。
根尖性歯周炎になると歯茎が大きく腫れたり膿が溜まったりし、最悪の場合は抜歯を余儀なくされるケースも少なくありません。
大切な歯を守るためにも、歯の痛みや歯茎の腫れなど、少しでも異変を感じたら速やかに歯科医院を受診してください。
まとめ
歯髄炎とは、歯の内側にある歯髄という神経組織に起こる炎症のことで、進行するとズキズキとした激しい痛みが生じます。
この歯髄炎には、適切な治療によって神経を残せる見込みのある可逆性歯髄炎と、根管治療によって神経を取り除く必要がある不可逆性歯髄炎の2種類があります。
放置すると、細菌感染が根の先まで広がり根尖性歯周炎を招く恐れがあるため、できるだけ早い段階での治療が必要です。