学校では、定期的に歯科検診を行っています。
子どもが「矯正治療の必要がある」と診断され、矯正治療の案内が書かれたプリントを持って帰ってきた場合、すぐに歯科医院を受診しなくてはならない、と思ってしまう人も多いでしょう。
しかし、矯正治療を急いで行う必要はあるのでしょうか?
歯科検診での診断結果について、解説します。
学校で行う歯科検診とは?
学校では、身長や体重、視力、聴力などを測定します。
その一環として歯科検診も行われていますが、これらは全て学校保健安全法に定められた健康診断の一環として行われています。
このうち歯科検診は、細菌感染による虫歯の有無、歯肉の炎症の有無、乳歯から永久歯への生え変わり状況が正常か、歯並びや噛み合わせに異常はないかという4つを主にチェックしていきます。
診断結果が記載され、虫歯の本数や歯肉炎の有無、生え変わらず残っている乳歯の有無などが記載されて紙面で渡されます。
また、不正咬合など歯並びが正常ではない場合は要観察・要精密検査などについても記載されています。
急いで治療する必要はある?
学校の検診で、異常があると診断された場合は焦ってしまうでしょう。
どのように治療すればいいのか、手遅れにならないかを心配して、すぐにでも治療を開始したくなるかもしれません。
しかし、学校で行う歯科検診は歯科医院のような設備が整っていません。
レントゲンなどで確認したわけでもなく目視による診断のみとなります。
そのため、正式な症状は歯科医院で見てもらわなければわからない、という点に留意する必要があります。
歯列矯正は、早くから始めた方がいいのは確かです。
しかし、即座に行わなくてはならないものではない、という点を心にとどめておきましょう。
ただし、不正咬合がある場合には、放置しておくこともおすすめできません。
不正咬合があると、見た目が悪いのはもちろんですが、噛み合わせの悪さから頭痛や顎関節炎などが起こる可能性があり、全身に影響が出てしまいます。
歯並びを直す場合には、子どものうちのほうが歯が動きやすいため、早期に治療を終えられるでしょう。
まとめ
学校の歯科検診で歯並びの悪さを指摘され、矯正治療の必要があると判断されることがあります。
矯正治療の必要があると診断されても、今すぐに始めなくてはならない、というわけではありません。
ただし、なるべく早くから始めたほうが、治療しやすいというのは確かです。
特に、12歳未満なら顎骨の矯正なども可能となるため、歯が生えるスペースも確保しやすくなるでしょう。