毎日丁寧に歯磨きをしているのに、歯が黄ばんだり着色汚れがついたりすることは決して珍しくありません。
歯の汚れというと黄ばみを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
実は、歯の汚れは黄ばみだけでなく、グレーや縞のような汚れが出てくることもあるのです。
グレーや縞の汚れが特徴的な歯をテトラサイクリン歯といます。
テトラサイクリン歯を白くするために、ホワイトニングは効果があるのでしょうか?
テトラサイクリン歯とは?
かつて、抗生物質としてテトラサイクリン系に属するものがありました。
多くの菌の増殖を抑制する働きがあったことから、よく使われていたのです。
しかし、テトラサイクリン系の抗生物質には歯を変色させてしまう働きがあったことが、後にわかりました。
テトラサイクリン系の抗生物質によって歯に色が着いた状態を、テトラサイクリン歯と呼びました。
歯に色がついたという報告が挙げられると、妊婦や12歳以下の子どもにはやむを得ない場合を除き、処方が避けられるようになったのです。
現在、テトラサイクリン系の抗生物質は、ニキビや肺炎など一部の治療に用いられるにとどまっています。
テトラサイクリン歯になる原因は、抗生物質に含まれている蛍光粒子です。
歯が作られる0歳から12歳までの間に服用していると、歯の中に蛍光粒子が取り込まれて象牙質が着色されてしまいます。
歯が出来上がってからであれば、服用しても変色する心配がありません。
蛍光粒子は紫外線に反応して変色するため、服用していた当初は気にならなくても時間が経ってから変色してきます。
後から変色した場合、唇にさえぎられているかどうかで色が変わることから、唇の形に合わせた線が全体に生じるのです。
ホワイトニングは効果がある?
テトラサイクリン歯は、ホワイトニングで解消されるのでしょうか?
効果があるかどうか、どのくらい白くなるかは、変色の段階によって異なります。
段階別に、ホワイトニングの効果を解説します。
まず、軽度の状態である淡い黄色であれば、ホワイトニングによって十分に歯が白くなる可能性があります。
歯を削る必要もないので、可能ならなるべく早い段階で対処したほうがいいでしょう。
茶色に近い色合いの場合は中程度になります。
中程度になっていても、ホワイトニングである程度の回復は期待できます。
ただし、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用しなければ十分な効果には期待できないでしょう。
グレーや黒などの暗色系になってしまうと、重度です。
ホワイトニングで解決するのは難しいので、マニキュアやラミネートベニヤ、被せものなどの対処が必要となるでしょう。
テトラサイクリン歯は、削らずホワイトニングをするのがおすすめです。
しかし、対処が遅れるとホワイトニングだけで白くするのは困難です。
歯科医院で相談し、適切な対処方法を選ぶようにしてください。
まとめ
歯の変色が黄色などの場合、テトラサイクリン歯だけでなく、加齢が原因の可能性があります。
しかし、茶色や黒などになってしまうのと、テトラサイクリン歯の可能性が高いでしょう。
ホワイトニングは歯を白くするための治療ですが、どんな状態でも必ず白くなるとは限りません。
軽度な状態でなければ、十分な効果が発揮されないこともあります。
歯の色が気になったら、なるべく早く歯科医院に相談しましょう。