歯科医院の治療の内容によっては、CTを使用することがあります。
歯科医院で使用するCTは歯科用CTといい、一般の病院で使用される医療用CTとは別のものですが、違いが分からないという人も多いでしょう。
そもそも、歯科用CTを使用する目的とは何でしょうか?
歯科用CTについて、解説します。
歯科用CTとは?
病院で受ける検査に、CTという大きな機械を使用する検査があります。
CTとはComputed Tomographyの頭文字を取ったもので、身体を断層状に撮影するための医療機器です。
撮影された画像はまるで体を輪切りにしたように見えます。
歯科用CTも原理的には病院で使われるCTと同じものです。
ただし、医科用のものとは違い撮影する箇所が首より上に限られる分、解像度が高くなっているため、歯や顎の骨などをよりはっきりと見ることができるのです。
また、撮影する範囲が限られているので、医療用CTのように全身入る大きさではなくコンパクトになっています。
検査用の衣服に着替える必要もなく、撮影にかかる時間も数十秒だけです。
また、エックス線が照射された際の被ばく量もごくわずかで、健康に影響はありません。
歯科用CTの必要性
歯科医院では、昔からよくパノラマレントゲンというものが使用されています。
歯の状態を見るだけならそれだけで十分ですが、歯科用CTはなぜ必要とされるのでしょうか?
歯科用CTの必要性について、解説します。
歯科で良く使用されるパノラマレントゲンとの違いは、歯の状態を立体的に見ることができるという点です。
パノラマレントゲンではしっかり見えなかった部分も、きちんと見ることができます。
また、歯科用CTが無ければ、歯の根の先にどのような異常が起こっているのかを確認することができません。
そのため、歯科用CTの登場以前は、確認するために被せものを外さなくてはならなかったうえ、経験と勘に頼って治療するケースも多かったのです。
しかし、歯科用CTがあれば、処置をする前に歯の根の状態や破折部分などを確認することができます。
客観性を加えて診断ができるようになり、治療も効率的に行えるようになったのです。
特にインプラント治療の場合は上顎洞や下顎神経、骨の厚みや質などを正確に把握しておくことで、手術におけるリスクを減らすことができます。
安全性のためにも、歯科用CTはきちんと受けましょう。
まとめ
歯科用CTは、繊細な治療や見えない部分を診断するために必要な検査です。
レントゲンではきちんと見えないために、ある程度経験や勘に頼っていた部分も、歯科用CTを使用することで確認しながら進めていくことができるようになり、確実な治療が行えるようになったのです。
歯科用CTを利用することで、抜歯を宣告された歯でも残したまま治療できるかもしれません。
高レベルな診断が必要な場合は、歯科用CTのある歯科医院を受診しましょう。