虫歯は、気づかないうちになってしまい、知らず知らずのうちに進行していくことが多いでしょう。

痛みが生じる段階になってようやく自覚する人が多いのですが、虫歯が進行するスピードは果たしてどのくらいなのでしょうか？

感染してから、虫歯になったと自覚するまでのスピードが具体的にどのくらいなのか解説します。

進行スピードに影響する要素

虫歯の原因となるのは、主に細菌と糖質、歯質という３つの要素です。

細菌が糖分を摂取して酸を産生することで、歯質が溶かされてしまうのです。

歯質には個人差があり、強ければ酸でもなかなか溶けません。

しかし、弱ければ酸で溶けやすいため虫歯にもなりやすく、進行スピードも速くなってしまいます。

歯質がかなり強い場合、口腔ケアをあまりせず、虫歯の原因菌が相当増えているにもかかわらず進行が遅い、というケースもあるでしょう。

虫歯を予防し、仮になった場合も進行を遅くしたいのであれば、細菌の数を減らして糖質を取り過ぎないようにし、歯質を強化する必要があります。

具体的には、食べたらすぐに歯を磨く、甘いものはあまりとらないようにする、フッ素を塗布するという方法が挙げられます。

どんなに注意を払っても、虫歯になる可能性をゼロにすることはできません。

そのため、虫歯を作らないように注意し、食後すぐの歯磨きや糖質を抑えた食生活、フッ素の塗布などの対策を継続する必要があります。

歯の健康を守りたいのであれば、常に細菌と糖質、歯質という３つの要素を意識しましょう。

虫歯の進行段階

虫歯になると、歯が痛んだり穴が開いたりします。

ひどい場合には溶けてなくなることもありますが、症状は最初に決まるわけではありません。

いかに早く虫歯に気づき、治療をしたかによって、進行度合いは異なります。

虫歯になっても治療せず放置していると、痛みがなくなるケースもあります。

しかしこれは虫歯が治ったわけではありません。

一定以上に悪化すると、歯の神経が死んでしまうため痛みを感じなくなるのです。

したがって、虫歯はしっかりと進行しています。

虫歯の進行は、C0～C4の5段階で示され、数字が大きくなるほど症状は重くなっていきます。

最初の段階はC0で、歯の脱灰が始まってはいるもののまだ虫歯の原因となる細菌には感染していない状態です。

つまり、虫歯になりかけた歯といえます。

次のC1の段階は、歯の外側にあるエナメル質という層が溶かされた状態です。

エナメル質が溶けると初めて痛みが生じるようになり、さらに進行するとC2となって奥の象牙質まで細菌が感染します。

象牙質も超えるとC3になり、内側の神経や血管が集まる歯髄にまで感染が進んでしまうのです。

最終段階がC4で、歯茎の上に出ている歯冠と呼ばれる部分の歯がほとんど全て溶けてしまいます。

歯根しか残っていない状態となりますが、細菌が感染しているため治療は必要です。

歯根に感染した細菌は、歯根の先に嚢胞という膿が詰まった袋を作り、炎症を起こしてしまいます。

まとめ

虫歯になったときに症状が進行するスピードは、感染した人の歯の強さや虫歯の原因となる細菌の多さ、歯に付着している糖質の量などで異なります。

歯が丈夫な人は、虫歯になりやすい要素が揃っていても、虫歯になりにくかったり進行が遅かったりするでしょう。

虫歯になると歯が痛みますが、症状が悪化すると治ったわけではないのに痛みがなくなることがあるため、注意してください。