歯科クリニックで使用するホワイトニング剤には、市販のホワイトニング製品では使用できない過酸化水素が含まれています。
そのため、高いホワイトニング効果を実感できます。
しかし、すべての歯で高い効果が得られるのかというと、決してそうではありません。
今回はホワイトニングの効果が出にくい歯の特徴を解説します。
テトラサイクリン歯
テトラサイクリン歯は、非常にホワイトニングの効果が出にくいです。
こちらは、テトラサイクリンという抗生物質により、根強い色素の沈着が起こっていることが理由です。
テトラサイクリンは、数十年前まで風邪薬として使用されていましたが、歯への副作用が指摘されて以降、現在は妊婦や幼児に対しては使用されなくなっています。
また現在成人の方の中には、子どもの頃にテトラサイクリンが含有された風邪薬を服用し、歯に薄黄色の縞模様がついている方がいます。
こちらをテトラサイクリン歯といい、残念ながらテトラサイクリン歯はホワイトニング剤の効果があまり見込めません。
人工歯
ホワイトニング剤が効果を発揮するのは、あくまで天然歯です。
そのため、インレーやクラウンなどの人工物が装着されている部分は、ホワイトニングで白くすることができません。
もちろん土台となる歯はホワイトニングができますが、インレーやクラウンだけが白くならない場合、そこだけ目立ってしまいかえって審美性は低下します。
また入れ歯やブリッジ、インプラントなど、歯茎に装着もしくは固定されている人工歯についても、補綴物と同じくホワイトニングで白くすることは困難です。
加齢で着色している歯
飲食物などが原因の着色であれば、ホワイトニングである程度白くすることができますが、加齢が原因で着色している歯はホワイトニング効果が極めて薄いです。
加齢による着色は、正確にいうと着色ではありません。
歯の表面のエナメル質が加齢とともに少しずつ薄くなり、黄色っぽい色をしている内側の象牙質が透けて見えているだけです。
ホワイトニングは、あくまで歯の外側、つまり表面を中心に白くする施術です。
そのため、歯の内部にある象牙質の色まで白くすることはできません。
まとめ
歯科クリニックでホワイトニングを行う場合、全体的にバランス良く白くならなければ、口元の審美性はあまり向上しません。
特に前述したような歯がある場合、一部だけ極端にホワイトニング効果が薄くなり、不自然な見た目になりかねません。
そのため歯科医師に相談した上で、ラミネートベニアなど、ホワイトニング以外の治療で歯を白くすることも検討すべきです。