歯は、日々の生活を送るうえで非常に重要役割を持つパーツですが、具体的にどのような構造になっているのかということまでは知らない人も多いでしょう。
外側から見れば白い素材でできた塊にしか見えない歯は、見た目通りの構造というわけではありません。
今回は、歯の構造について解説します。
歯の形状の構造
口を開けてみたとき、前歯が四角い板、奥歯はキューブのように見えるかもしれませんが、実は見た目通りの形状をしているわけではありません。
歯茎の上にあって外から見えている部分を歯冠部といい、歯茎の中には歯根部といわれる部分が隠れているのです。
歯根部の形状はどの歯も同じというわけではありませんが、正常な状態であれば二股に分かれて湾曲した形状をしています。
歯根部は複雑な形状をしているケースもあり、歯根の形状が複雑だと内部の治療が難しくなるでしょう。
歯冠と歯根は繋がっていて基本的には1つの歯として扱われますが、親知らずの抜歯などで抜歯が難しい場合には、歯冠部と歯根部を切り離すこともあります。
また、虫歯を治療して被せものや詰めものを装着する場合には、歯冠部が残っていなければできません。
歯の層の構造
歯の形状について解説をしましたが、歯は層になって分かれているため、歯の層の構造についても解説します。
歯は、もっとも外側に水晶と同じ硬さを持つといわれるエナメル質でできた硬い層があり、歯を守っています。
ただし、エナメル質は酸によって溶けやすいという性質を持つため、酸が多いと内部が隙間だらけになってもろくなってしまいます。
エナメル質の内側には、歯をかたち作っている象牙質という層があり、硬度はエナメル質より柔らかく酸に弱いというのが特徴です。
象牙質の内部には、象牙細管という細い管がまんべんなく通っていて、細管の中には組織液が満たされています。
歯根部の表面には骨と同程度のセメント質という層があり、歯根膜によって歯槽骨と結合しているのです。
歯の中心部にある組織を歯髄といい、一般的には神経と呼ばれています。
歯髄には神経線維やリンパ管、血管などが含まれていて、象牙質に栄養を届けているのです。
まとめ
歯は、歯冠部と歯根部という2つから成り立っています。
歯冠部は外から見える場所のことを指し、歯根部は歯茎の中に埋まっています。
また、歯は層に分かれていて、もっとも外側はエナメル質という硬い層、エナメル質の内側は象牙質という柔らかい層になっているのです。
歯根部の表面はセメント質になっていて、歯の中心部には神経とも呼ばれる歯髄があり、歯髄には神経線維のほか、象牙質に栄養を届ける血管やリンパ管などが含まれています。