
歯を支える骨や歯茎などが破壊されてしまう歯周病は、悪化すると歯の支えが失われ、歯が抜ける原因になってしまいます。
歯を失わないためには、破壊された歯周組織を再生する必要があります。
リグロスも歯周組織を再生する治療方法の1つです。
歯周組織再生療法のリグロスについて解説します。
リグロスとは?
歯は、歯茎や歯槽骨などの歯周組織によって固定され、支えられています。
歯周組織は、一度破壊されると自然には再生しません。
歯周組織を再生するには、歯周組織再生療法を受ける必要があり、いくつかの治療法があります。
リグロスは歯周組織再生療法の1つで、新たに開発されたリグロスという薬剤を使用して再生を試みる方法です。
手術を伴う治療を行うことで組織の再生が可能となるため、歯が抜け落ちるのを防ぐ効果があります。
リグロスに使用されている成分は、医療において火傷などにより失った皮膚を再生させる薬剤と同じものです。
歯科では濃度を変えたものが2001年から使用されていて、現在まで20年以上の実績があるため、信頼性が高い治療といえます。
歯周病になって歯周組織が破壊されている方には期待が持てる治療ですが、「高い効果が期待できる分、治療費も高額になるのではないか」と不安に思う人もいるでしょう。
しかし、リグロスによる歯周組織の再生は保険適用の治療となるため、一部を自分で負担するだけで治療を受けることが可能です。
歯周組織再生療法は基本的に保険が適用されませんが、保険適用のリグロスは費用の心配なく治療を受けることができるのです。
リグロスの特徴は?
リグロスはトラフェルミンとも呼ばれ、主成分がbFGFというたんぱく質でできた薬剤です。
なぜ破壊された歯周組織を再生できるかというと、bFGFには細胞の増殖や分化を促して、成長させる効果があるからです。
さらに、血管新生作用という血管を新たに作り出す作用も含まれているため、歯を支える組織をしっかりと再生させることができます。
リグロスは、口内の歯周病菌を減らした後に効果が発揮される薬剤です。
破壊された顎の骨に直接塗布することで骨が再生され、歯を支えることができるようになります。
また、歯周病により歯がぐらつくようになると、顎の骨に負担がかかってしまい、病気の進行を早めてしまいます。
リグロスを使用すると、歯がぐらつきにくくなるため、歯周病の進行を抑制することが可能です。
重度の歯周病になった場合でも歯を抜かずに治療できたり、歯周病の進行を抑制したりできる可能性が高く、非常に高い効果を発揮します。
まとめ
破壊された歯茎や歯槽骨などを再生する歯周組織再生療法にはいくつかの種類があり、中でもリグロスは新しい治療です。
リグロスは保険が適用されるため、治療費の負担を軽減できるというのは、歯周病に悩む人にとって大きなメリットといえるでしょう。
リグロスは細胞の増殖や分化、成長を促すbFGFというたんぱく質が主成分で、歯がぐらついている場合に、安定させる効果があります。