虫歯を治療する際は歯を削ることになります。
削った後は歯の形を補うため、インレーやクラウンなど補綴物の装着が必要です。
補綴物はさまざまな素材で作られますが、中でもすごいのは、金歯という金合金で作製した補綴物です。
金歯がなぜすごいのか、解説します。
金歯のすごい点とは?
金歯の目立つところが嫌だという人は多のではないでしょうか?
また、映画や漫画などの創作物で、成金やマフィアのボスなどが金歯を装着しているケースもあるため、あまりよい印象を抱いていない人もいるかもしれません。
しかし、金歯は多くのメリットがある優れた補綴物です。
具体的にどのような利点があるのか解説します。
まず金歯は耐久性に優れていて、耐摩耗性も高く、めったに破損することがありません。
柔らかい純金にいくつかの金属を混ぜ合わせることで強度を高めているため、普段の生活で傷むことはほとんどないのです。
合金にしても金の特性である柔軟性を維持したまま、一度装着した後は歯に合わせて変形していくため、補綴物を装着していることを意識しなくなるでしょう。
同じく金属でできた銀歯と平均寿命を比べると、銀歯が5~10年であるのに対し金歯は20~30年です。
平均の2倍近く保つケースもあり、長期間の使用が可能です。
また、金属アレルギーの方にも向いています。
銀歯の場合、装着するとアレルギー反応が出ることがよくあります。
しかし、金歯は生体親和性が高いためアレルギー反応が出にくいのです。
金属アレルギーの原因となる金属はいくつかありますが、金歯には含まれていない、もしくは割合が低いためアレルギーになりにくいという特徴があります。
機能面でのメリット
金歯は機能面でも優れています。
表面が滑らかであるため、プラークが付着しにくく、虫歯の原因になりにくいのです。
また、歯に密着するように変形していくため、隙間ができにくく、内部に虫歯の原因菌が侵入しにくいのも長所です。
銀歯は経年劣化で隙間ができることが多いのですが、金歯は反対に隙間がなくなるように変形するため、虫歯の再発を防止できます。
さらに、金は金属の中でも比較的軟らかいため加工しやすく、金歯が破損したり外れたりしたときの修復が比較的容易です。
柔らかい素材であることから細かい調整がしやすく、使用するうちに適した形に変形していくため、長期的にはコスト削減につながります。
加えて、他の補綴物よりも歯茎に与える影響が少ないため、炎症が起こったり退縮したりする原因にはなりません。
まとめ
補綴物の一種である金歯は、歯科医療用の金合金でできた詰め物や被せ物などの補綴物のことを指します。
目立つため敬遠する人もいますが、実は非常に優れているのです。
金歯は耐久性と柔軟性の高さを兼ね備えているため、長く使ううちに歯の形にフィットして隙間がなくなり、虫歯が再発しにくいというメリットがあります。
また、銀歯と比べて柔らかい素材であることから調整などもしやすく、歯茎に与える影響が少ないのも利点です。