コロナ禍の影響もあり、近年はインフルエンザや花粉の時期以外にもマスクを装着する人が増えました。
それに伴い口呼吸をする人が増えていますが、口呼吸は歯並びの悪化につながります。
口呼吸と歯並びにはどのような関係があるのでしょうか?
口呼吸によって歯並びが悪くなるのはどうしてなのか、解説します。
口呼吸になってしまうのはなぜ?
呼吸をする際は、基本的に鼻呼吸が望ましいとされています。
なぜなら、鼻には粘膜と鼻毛があり、呼吸で取り込んだ空気に含まれるゴミや細菌を食い止めるフィルターとしての役割があるからです。
一方、鼻とは違い、口にはフィルターとなるものがありません。
そのため、ゴミや細菌などの侵入を防ぐことができず、全て体内に取り込まれてしまいます。
また、口呼吸をしていると口内の水分が逃げてしまい、口内が乾燥しやすくなります。
口呼吸になってしまう原因として挙げられるのが、顎周りや舌、唇の筋肉の弱体化です。
幼少期に硬い食べ物を食べる機会が少ないと、顎を鍛えることができません。
現在は離乳食も発達していて、早い段階から柔らかいものを食べることが増えているため、顎には負荷がかかりにくいのです。
また、鼻がつまっているために口呼吸の癖がつくこともあります。
アレルギー性鼻炎や、季節が変わるまで続く花粉症などで鼻づまりの状態が続くと、鼻どおりが良くなってからも口呼吸になってしまうことがあります。
口呼吸と歯並びの関係
口呼吸が癖になると、歯並びにどのような影響があるのでしょうか?
口が開いている時は、下顎が下がった状態になります。
口が常に開いていると下がったままとなるため、舌の位置も下がり、口の周りの筋肉の発達を妨げてしまいます。
影響があるのは下顎だけではありません。
上顎の発育にも大きな影響があり、成長期に口呼吸ばかりをして鼻呼吸をしていないと、鼻腔の成長が妨げられて上顎の歯列が狭窄になる可能性があります。
上顎の歯列が狭窄を起こすことで、上顎前突などの不正咬合の原因にもなるのです。
舌が前歯を押し出している力と、口の周りの筋肉によって歯が締め付けられる力とのバランスによって、歯並びは成り立っています。
口周りの筋肉が足りないと、舌の圧力によって前歯が押し出されてしまうこととなるでしょう。
まとめ
口呼吸が癖になっていると、口内が乾燥しやすく、空気を取り込む際も空気中のゴミや細菌を防ぐことができません。
また、常に口呼吸をしていると、口周りの筋肉が発達せず、鼻腔の成長が足りなくなり上顎の歯列も狭窄を起こしやすくなるため、上顎前突の原因にもなります。
幼少期に硬い食べ物を食べていないと、顎が鍛えられず口が開きっぱなしになりやすいため注意が必要です。
口呼吸を防ぐためにも、幼少期から硬いものをよく噛んで食べる癖をつけましょう。