歯並びを整える矯正治療は子どものときに行うケースが多いですが、大人になってからも可能です。
とはいえ、ご年配の方だと「年をとってからの矯正治療は難しいのではないか？」と思うかもしれません。
実は、ご年配の方も矯正治療を受けた方が良いのです。
ご年配の方も矯正をするべき理由について解説します。

ご年配の方も矯正をするべき理由

歯並びを整える矯正治療は若い人が受けるというイメージがあるかもしれませんが、ご年配の方でも歯列矯正を検討すべきです。
なぜなら、矯正治療は単に見た目を改善するだけではないからです。
口腔全体の健康と全身の健康維持に大きく寄与するため、ご年配の方も受けるに越したことはありません。

例えば、歯並びが悪いと食べ物を適切に噛み砕くことが難しくなるため、消化不良を引き起こす可能性があります。
そうならないためにも、きれいな歯並びは重要です。
しっかりと噛めるようになると、食事が楽しくなり、栄養状態の改善にもつながります。

また、歯が重なり合っていたり隙間があったりすると、歯ブラシが届きにくくプラークが溜まりやすくなるでしょう。
プラークが溜まると虫歯や歯周病のリスクが高まります。
特に歯周病は、高齢者の歯を失う主要な原因の１つとなっているため、予防が大切です。

矯正によって歯並びを整えることで、毎日の歯磨きやデンタルフロスでの清掃が容易になり、口腔衛生を良好に保つことができます。
それだけでなく、歯周組織の健康にも寄与します。
なぜなら、噛み合わせが悪いと特定の歯に過度な力がかかり、歯周組織にダメージを与えるからです。
正しい噛み合わせにすることで、歯にかかる力を分散させ、歯周病の悪化を防止できます。

さらに、全身の健康維持にも矯正治療は役立ちます。
重度の歯周病になると、糖尿病、心血管疾患、肺炎などの全身疾患の発症リスクを高めることにもつながります。
全身疾患になるリスクを低下させるためにも、口腔内の健康維持が欠かせません。

以上のとおり、口腔内の健康を保つことは全身の健康を守ることにもつながるため、ご年配の方も矯正治療で歯並びを整えるべきです。
歯並びによっては発音に影響が出ることもあるため、矯正によってより明瞭な発音ができるようになれば、コミュニケーションの質が向上します。

きれいな歯並びは、年齢に関係なくご自身の外見に対する満足度を高め、自信につながるというメリットもあるのです。

現代の矯正治療

近年では、目立たない透明なマウスピース型矯正装置や、歯の裏側に装着する舌側矯正など、審美性を重視した治療オプションが多く存在しています。
ご年配の方の矯正治療では、歯周病の有無や骨の状態などを事前にしっかりと検査し、歯科医師と相談の上で治療計画を立てることが非常に重要です。
まずは専門の歯科医院で相談してみることをおすすめします。

まとめ

ご年配の方は「今さら矯正治療を受ける必要はない」と考えることが多いのですが、歯並びが悪い場合には年齢を問わず矯正治療を受けた方が良いのです。
歯並びは咀嚼機能に関係します。
歯並びが整っていなければ食べ物を十分に細かくできないため、消化時に胃腸へ負担がかかりやすくなります。
虫歯や歯周病になるリスクも高くなり、歯周病が原因で全身疾患になる可能性も高まってしまうのです。