歯の先天性欠如とは、最初から一部の歯が生えなかったり乳歯から生え変わらなかったりすることをいいます。
もしも永久歯が先天性欠如である場合には、治療は可能なのでしょうか?
永久歯が先天性欠如である場合、どうすればいいのか解説します。
永久歯の先天性欠如への対応
先天性欠如によって永久歯が生えてこない場合は、対処するために将来へと向けた治療計画が必要です。
一般的な対応として、乳歯をできるだけ長持ちさせる、矯正治療により対応する、ブリッジ治療やインプラント治療などで対応するといった方法があります。
乳歯を長持ちさせる方法の場合、いずれ他の方法に切り替えることになる、ということを念頭に置かなければなりません。
なぜなら、一生涯の使用はできないからです。
乳歯はそもそも生え変わりを前提にした歯であり、永久歯に比べて歯質が弱く、高確率で虫歯になります。
そのため、歯科医院で定期的なケアを受けなければなりません。
ただし、どれだけ丁寧にケアしても、いずれ乳歯の根が吸収されて抜け落ちるため、他の治療へ進むことになるのです。
矯正治療によって欠損部分のスペースを閉じ、歯並びや噛み合わせを整えることで補う方法もあります。
矯正治療による対応は、10代など顎がまだ成長段階にある時期に行うのが最適な治療時期とされています。
なお、矯正治療は本来であれば自由診療です。
しかし、6歯以上の永久歯が先天性欠如している場合には、例外的に保険適用となることがあります。
欠損部分の両隣の歯を削って橋渡しのように人工歯を被せるブリッジ治療も、先天性欠如の対応としてよく行われる治療法です。
他の方法と比べて短期間で治療が終わるのがメリットですが、両隣の健康な歯を削らなければなりません。
欠損部分に人工歯を埋め込むインプラント治療もよく行われる治療で、隣接する健康な歯を削る必要がなく、自然な見た目と噛み心地が得られます。
その他の治療法として、親知らずなどの不要な歯を抜き欠損部分に移植する方法もありますが、歯の形状が合わずできないことが多いでしょう。
治療を受ける際の注意点
永久歯の先天性欠如の治療は簡単ではなく、長期的な治療計画が必要です。
歯科医院で相談してご自身の状況に合う方法を選びましょう。
治療時期は年齢によって異なります。
また、矯正治療が適している場合もあれば、インプラントなどを選択するのがよい場合もあります。
なお、治療後も放置せず、定期的な歯科検診や日々のセルフケアを続ける必要があることに注意してください。
まとめ
一部の歯が生えてこない先天性欠如では、乳歯が残り続けることがあります。
その場合、他の歯が生え揃うまでは乳歯を残しておきます。
乳歯はいずれ抜け落ちてしまうため、矯正治療やブリッジ、インプラントなどの治療を行って歯が欠如した部分をカバーするのが一般的です。
先天性欠如への対応は簡単ではないため、長期の治療計画が必要です。
治療時期によって最適な治療は異なります。