今回は、以前当院が受けた独自取材の内容をご紹介します。当院が心がけていることや、開業するに至ったきっかけなどを話しているので、ぜひご覧ください。

 

明るい診察室に先進設備、かかりつけ医をめざして

歯科医院のイメージが変わるような、解放的で明るい院内ですね。

【冠楠先生】歯科医院がなんとなく苦手と感じる方は多いと思います。ですから、患者さまの緊張が少しでも和らぐようなデザインにしたいと考えました。私たちはハワイで挙式したので、ハワイのようなリラックスした雰囲気で受診していただきたいという思いもありました。イルカや波などをモチーフにして、明るい日が差し込むやわらかい色使いの内装にしています。院内にはキッズスペースやおむつ交換台も設けていますし、付き添い用のスペースもあるので、小さいお子さまやパパ・ママも安心して来院していただけると思います。

 

歯周病菌が見える顕微鏡など、先進機器を導入されているそうですね。

【裕貴先生】細菌の動きが見える「位相差顕微鏡」ですね。当院では初診時にエックス線撮影や口腔内写真とあわせて、検査に顕微鏡も用います。また、患部の確認用に「高倍率マイクロスコープ」を導入しています。治療部分がより鮮明に見えることで、歯科治療の中でも難しいといわれる歯の根っこ部分の治療（根管治療）の精度向上につなげます。細部まではっきり見えるので歯を削る量を最小限にして、大切な歯を残すことにつなげられるのもメリットですね。それから、歯科用の「三次元CT」も導入しています。通常のエックス線では見ることのできない、さまざまな角度から歯の厚み、骨の質、神経の管の状態まで詳細に把握することができるため、より適切な診断と質の高い治療を提供できるよう活用していきます。根管治療は再発してしまうと完治がとても難しくなりますので、しっかりと治すことで歯の寿命も延ばしていきたいですね。

 

痛みに配慮した麻酔治療に力を入れてらっしゃると聞きました。詳しく教えてください。

【冠楠先生】麻酔注射の痛みを最大限軽減できるよう、塗る麻酔薬、極細の針、電動麻酔器などを導入しています。塗る麻酔は、歯茎の表面に塗って針を刺す痛みを和らげるために使います。麻酔用の針は細いほど痛みが小さくなることが期待できるので、極細のタイプを採用しています。麻酔薬は刺激が少なくなるように人肌に温めて、電動麻酔器を使ってゆっくりと注入します。ゆっくりと聞くと怖く感じる方もいるかもしれませんが、ゆっくり入れるほど痛みの軽減を図ることができますよ。また、手で注入すると速度が一定にならず、痛みにつながることもあるので、電動麻酔器によって速度や圧力も一定にコントロールできるようにしています。

 

夫婦二人三脚、小児矯正から大人の歯周病まで広く対応

お二人が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

【冠楠先生】私は歯並びが悪くてコンプレックスだったのですが、矯正で少しずつ歯並びが整っていくことで気持ちも明るくなりました。その経験から、幼い頃から歯科医師に対する憧れがありました。

【裕貴先生】若い頃から、人とつながるような仕事をしたいと漠然と考えていました。歯科医師は、治療するとダイレクトに患者さまから感謝されるのでそこが魅力です。私の出身校である東京医院歯科大学は少し特殊で、医学生の時から患者さまの担当を持つことができるんです。当時は学生なので、できる処理は限られていましたが、できる限り丁寧に歯の状況を説明したり、汚れの除去をすると、とても喜んでもらえて。それがうれしくて歯科治療を通じて患者さまに喜んでいただきたいという気持ちがどんどん高まっていきました。

 

開業するに至ったきっかけを教えてください。

【冠楠先生】歯科治療は、歯科医院ごとにそれぞれめざす方向性があります。二人とも別々の歯科医院で勤務医としての経験を積んでいましたが、長く勤めている中で自分たちが目指す方向性が見えてきました。

【裕貴先生】例えば、歯の美しさを追及するような審美歯科がある一方、虫歯や歯周病などの一般治療を重点的に行う歯科医院もあります。歯並びが整えられて気兼ねなく笑える喜びも、虫歯を治して好きな食べ物を快適に食べられる幸せも、どちらも患者さまにとって大切なことですよね。また予防歯科で、虫歯の治療後に健康な歯を維持することも、人生の満足度に大きく影響すると思います。私たちは、審美面と機能面、どちらも大切にしたいという感覚が一緒だった。それが、夫婦で「八王子きずな歯科」を開業することを決めた理由です。

 

お二人が得意とする治療やご担当はありますか？

【裕貴先生】虫歯や歯周病など一般的な治療は二人とも担当していますが、小児歯科や歯の根管治療は冠楠先生がメインで行っています。一方で、インプラント治療や親知らずの抜歯など、外科的な処置は私が主に担当しています。

【冠楠先生】小児歯科で女性の歯科医師をご希望の際は、予約時にご希望をお伝えください。できる限り対応いたします。お子さまは、一度苦手意識を持ってしまうと「もう行きたくない」となりがちですよね。ですから緊急時以外は、診察台に座ってお話ししながら、歯科医院の雰囲気に慣れてもらいます。また、当院の小児歯科は大人の歯に生え替わる段階で行う「咬合誘導」も行っています。歯がすべて生え替わる前に矯正することで、短期間かつ治療費を抑えることが期待できます。歯並びは見た目だけでなく生涯の口腔環境の基礎になるので、お子さまの歯並びが気になる場合はぜひご相談ください。

 

八王子市民の歯を、守り支えて「きずな」を結んでいく

歯科治療が得意ではないという患者さんに対して、どのような対応を心がけていますか？

【裕貴先生】「患者さまを否定しない」ということを心がけています。患者さまはさまざまな事情を抱えて来院されます。歯磨き指導や予防治療も大切ですが、歯科治療に向き合うペースはそれぞれ異なります。ですから、「忙しくて通院できない」という方には一度の機会に集中して治療しますし、「痛みを何とかしてほしい」という場合にはまずは痛みを取るための治療をします。また、初診の問診表で「これまでの歯科治療で嫌だったこと」も確認しています。歯科治療が苦手という気持ちが少しでも和らぐよう、患者さまのニーズに真摯にお応えすることを心がけていますね。

 

ヒアリングにも力を入れてらっしゃるのですね。

【冠楠先生】はい。初診時は1時間ほどかけてじっくりヒアリングや検査を行います。検査で撮影したエックス線写真や口腔内写真をモニターで一緒に見て、ご自身の口の仲がどのような状態なのか認識していただきます。「歯の裏側が黒ずんでいるな」とか、「歯茎が下がって炎症が起きているな」とか具体的な気づきを得ることで、納得感を持って治療ができるのではないでしょうか。患者さまが自分にとって必要な処置がと感じて治療を受ければモチベーションも上がり、家庭でのケアも継続しやすくなると考えています。

 

治療後も「予防歯科」を通して、健康的な歯を維持することが大切なんですね。

【裕貴先生】「治療が終わってからがスタート」というのが私たちのコンセプトですが、その一環として、当院ではお一人の患者さまに対して専属の歯科衛生士が担当します。専属の担当者がいることで、患者さまのお口の変化にすぐに気づくことができ、早期治療につながると考えています。また、顔なじみの歯科衛生士がいることで、より気軽に、安心感をもって来ていただくきっかけになるのではないかと思います。

 

八王子の歯科医院として今後の抱負を教えてください。

【裕貴先生】今後は、治療はもちろん八王子の皆さまの歯を守るために、さまざまな情報や役立つ知識をお伝えしていければと考えています。現在、八王子エリアの歯科医師会に所属しているのですが、ゆくゆくは他の歯科医院とも連携して、地域の皆さまと「きずな」を結べるような活動ができたらうれしいですね。その第一歩としてSNSで情報発信も行っておりますので、ぜひ検索してみてください。