歯周病の治療は、主に細菌を除去するための内科治療を行います。
歯磨きや歯間ブラシの指導、並びに歯石除去を行うのですが、通常の方法では除去できない歯石もあり、歯周病が進行されて歯周組織が破壊されている場合には、再生治療も必要です。
歯石の除去や歯周組織の再生のための、外科治療について解説します。
歯石を除去する外科治療とは?
歯周病が進行すると、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなっていきます。
通常、歯石は歯の表面や歯間等についていることが多いのですが、歯周ポケットが深くなると中に歯石ができてしまいます。
浅い歯周ポケットであれば、中にできた歯石はスケーラーなどで取り除くことが可能です。
しかし、歯周ポケットが深くなってしまうと、普通の方法では除去することができません。
外科治療で歯石を除去するには、FOP法(歯肉剥離掻爬手術)を用います。
局所麻酔をした上で歯茎を切開し、歯周ポケットの奥の歯石を取り除くのです。
歯石を除去することによって、歯周ポケットが浅くなり、歯周病の進行を止めることができます。
歯周組織を再生させる外科治療とは?
歯周病は、初期状態であれば歯石をスケーラーで取り除いて治療することで、完治させることができます。
しかし、重症化すると歯を支えている歯周組織が破壊されてしまい、完治が難しくなってしまうのです。
重症化した歯周組織を再生させるための外科治療として、まずはエムドゲインが挙げられます。
エムドゲインとは歯周組織再生療法のことで、歯肉を切開して剥離させ、歯根を露出させて表面を清掃した上で、エムドゲイン・ゲルを直接塗布して縫合します。
歯周組織を守りながら歯周病によって損なわれた部分を再生させようという治療です。
エムドゲインで使用されるエムドゲイン・ゲルは、歯周組織を再生させる治療として、世界40か国で使用されています。
身体に悪影響がないかを心配する人もいるかもしれませんが、安全性は確認されています。
ほかに、日本で誕生した、リグロスという歯周再生医薬品もあります。
歯科の再生治療として保険が適用される薬品なので、治療費の負担を抑えることが可能です。
ただし、がんの既往があるとがん細胞も活性化されてしまうため、使用できません。
まとめ
歯周病には、内科治療と外科治療があります。
内科治療では治療しきれない場合に外科治療を行うことになり、スケーリングでは除去しきれない歯石は歯周ポケットを切開して除去します。
また、歯周病によって破壊された歯周組織は、歯肉を切開した上でエムドゲインやリグロスなどの薬品を塗布して、再生を促していきます。
状況に応じて、必要な治療が選択されることとなります。