矯正治療の中でも人気があるマウスピース矯正の代表といえばインビザラインですが、近年アメリカではクリアコレクトがシェアを伸ばし、インビザラインに次ぐ人気を誇っています。
クリアコレクトとはどのようなマウスピース矯正なのか、解説します。
クリアコレクトとは?
クリアコレクトは、2006年にインプラントの老舗メーカーであるストローマン社が提供を開始した、マウスピース型矯正装置です。
専用のマウスピースを作成し、1日22時間以上装着して矯正していきます。
クリアコレクトは、マウスピースの形状に特徴があります。
インビザラインをはじめとしたマウスピース矯正で使用するマウスピースは、歯をすべて覆うような形状をしています。
一方、クリアコレクトの場合は歯茎の上2mmの位置で覆うようになっている点が特徴です。
クリアコレクトの方が、他のマウスピース矯正よりもフィット感が増すうえ、矯正力も強くなっています。
また、歯の表面につけるアタッチメントという、マウスピースを固定する装置の数も少なくできます。
クリアコレクトのマウスピースの素材は、クリアクウォーツと言います。
3層構造になっている素材で、耐久性に優れていてしなやかさもあるため、矯正治療を効果的に進めることができます。
クリアコレクトが対応する歯列
矯正装置は、種類によって対応している歯列が異なります。
矯正装置によっては、合わないものもあるので注意が必要です。
クリアコレクトが対応する歯列について、解説します。
まず、歯並びがガタガタになっている叢生は、クリアコレクトに対応しています。
八重歯なども、叢生の一種です。
また、前歯が突き出している出っ歯、上顎前突も、クリアコレクトに対応している歯列です。
歯の間に隙間があって目立つ状態、すきっ歯とも呼ばれる空隙歯列にも、クリアコレクトは対応しています。
奥歯で噛んだ時、前歯に隙間ができる開咬も、治療可能です。
上下の前歯の先端が接触してしまう、切端咬合もクリアコレクトで対応している歯列です。
過蓋咬合にも対応し、軽度な反対咬合も治療可能です。
以上のように多くの歯列に対応していますが、治すことのできる範囲は限られています。
クリアコレクトで治療できる範囲は、前から5番目の歯までです。
奥歯には対応していないので、奥歯を動かさずに部分矯正をしたいという場合は、クリアコレクトが向いているでしょう。
まとめ
マウスピース矯正の中でも新しいクリアコレクトは、近年利用者が伸びている治療で、インビザラインに次ぐシェアを獲得しています。
インビザラインよりもフィット感が高く、矯正力も強いため、多くの症例に対応しているのが特徴です。
ただし、治すことができる範囲は前歯から5番目の、第二小臼歯までの部分矯正です。
奥歯を動かさないように矯正治療をしたい、という人にも向いているでしょう。