予防歯科は、虫歯や歯周病など口内のトラブルを未然に防ぐことを目的とした診療科目です。
しかし、実は口内のトラブルだけではなく、認知症予防にも役立つと言われているのです。
予防歯科は、認知症予防にどう役立つのでしょうか?
予防歯科と認知症の関係について、解説します。
歯周病でアルツハイマー症が悪化する
歯の歯周組織が炎症を起こして破壊される歯周病は、歯周病菌という細菌によって起こる細菌感染症です。
歯周病菌は歯周組織以外にも悪影響を与えます。
歯周病が悪化すると、歯周病菌は血流にのって全身へと運ばれていきます。
歯周病菌によってアミロイドβの蓄積や免疫細胞の攻撃の増加、神経細胞の死滅などが起こり、アルツハイマー病を発症して悪化しやすくなるのです。
アルツハイマーは、認知症の一種です。
認知症とは、脳の神経に異常が生じることで記憶障害や判断能力の低下などが起こる病気で、日常生活を困難にさせます。
口の健康と認知症との関係
口内では、様々なトラブルが起こることがあります。
虫歯や歯周病はもちろん、歯の減少や咀嚼力の低下等が起こると、認知機能の低下につながるのです。
また、歯周病になると酸化ストレスが増し、脳血管の障害や脳の炎症、脳内感染、糖尿病の悪化などが起こります。
認知症には、口内環境が大きく関係しているのです。
口の中を清潔に保つことは、虫歯や歯周病、口臭を予防するだけではなく、身体全体の健康を守ることになります。
口腔ケアは、子どものうちからできるだけ早く身につける必要がありますが、大人になってからであっても、自分のやり方が正しいのか一度確認してみましょう。
口腔ケアは、歯科医院で歯科検診を受けて、歯ブラシを始めとしたセルフケアの方法について教えてもらうことから始まります。
また、ケア用品には多くの種類があるので、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
予防歯科では、定期的に口内のチェックをして虫歯や歯周病などは早期に治療し、歯の汚れが増えてきた時にクリーニングを行います。
予防歯科で歯周病などを防ぐことによって、認知症の予防にもなるのです。
まとめ
認知症は、脳の衰えによっても起こりますが、歯周病菌が血液に乗って脳へと到達した場合は、通常よりも早く悪化する可能性があります。
口の中を清潔に保つことは、虫歯や口臭などの予防にもなりますが、全身の健康を守ることにもつながるのです。
将来認知症になるのを防ぐために、日頃から口内を清潔に保つことを心がけて、必要に応じてクリーニングなどを受けるようにしましょう。