
虫歯を治療する際は、感染した部分を削って除去するのですが、一緒に感染部分の周囲の健康な部分も削ることになってしまいます。
歯を削る量は、少なければ少ないほど歯の健康を損なわずに済みます。
なるべく歯を削らずに虫歯治療をするには、何が必要でしょうか?
削る量を抑える治療に必要なものが何であるのか、解説します。
歯を削る量の判断は難しい
虫歯に感染すると、歯の感染した部分が黒くなります。
では、黒い部分だけを削り取ればいいのかといえば、そうとは限りません。
まだ黒くなっていない部分も、虫歯菌に感染している可能性があるからです。
虫歯が黒くなるのは、歯が溶けて修復される過程で黒い色素が混ざってしまうことが原因です。
そのため、黒い色素が混じっていなければ、虫歯であっても白いままなのです。
虫歯治療では、黒い部分を削る際に周囲の白い部分も削ります。
しかし、白い部分は虫歯に感染しているとは限らず、健康な歯質の可能性もあるのです。
歯は一度削ると元には戻らないので、削る量をなるべく少なくすることが大切です。
削る量を少なくするには?
歯を削る量を少なくするためには、虫歯を正確に判別する必要があります。
正確に虫歯を判別するためには、どのようなものが必要となるでしょうか?
主な道具について、解説します。
まず、虫歯を1mm単位で判別するために、高倍率ルーペやマイクロスコープが必要となります。
肉眼では細かく判別できないため、何倍にも拡大して視認しながら治療していくことが大切です。
虫歯に感染している部分が判別しやすいように、う蝕検知液という、削る部分が青く染まる液を使用して、虫歯が残ったり削り過ぎたりすることを防ぎます。
また、細かく削ることができるように、使用するドリルも超極細のものを使用する必要があります。
虫歯を切削する器具は、高速回転するため熱が発生します。
虫歯の深い部分は水を使わずに削るため、熱によって神経が刺激されて痛みが出たり、神経が壊死してしまったりすることもあるのです。
熱が発生しないようにするには、超低速回転の切削器具が必要です。
通常は分速30万回転となる回転する部分の「タービン」が、分速100回転と非常にゆっくり回ることで、熱が発生しにくくなります。
また、手用の切削器具を使用することで、丁寧に虫歯部分を除去できるため、削る量はさらに少なくなります。
スプーンエキスカベーターという器具を用いると、時間はかかりますが、細かく削ることが可能です。
まとめ
虫歯治療の際は歯を削る必要がありますが、あまりに大きく削ってしまうと、抜歯が必要になるかもしれません。
削る量をなるべく少なくすることで、削られた歯の寿命も長くなります。
削る量を少なくするためには、虫歯部分を正確に見極められるよう、さまざまな器具を使用しなければなりません。
虫歯になった歯を長く残すために、削る量を少なくする治療を受けることをおすすめします。