根管治療を行うとき、無菌治療のために行われる治療の1つとして、ラバーダム防湿という治療があります。
ラバーダム防湿というのは、何のために行う治療なのでしょうか?
また、何のために行われる治療なのでしょうか?
ラバーダム防湿と、目的について解説します。
ラバーダム防湿とは?
ラバーダム防湿は、根管治療を行う箇所をラバー(ゴム)のシートで覆い、根管に唾液が侵入するのを防ぎながら治療することをいいます。
ラバーダム防湿には、ゴムシートやゴム枠、穴を空けるパンチ、クランプ、フォーセップスなどの器具を使用します。
専用のゴムシートを用意して、穴を空けて歯に引っ掛けるクランプという器具をゴムシートにかけます。
クランプをフォーセップスで把持しながら歯に装着してゴムシートを固定し、ゴム枠にシートをかけたら完成です。
ゴムシートは、治療を行う歯の部分を除いて、全体を覆うことになります。
ゴムシートがダムのようになり、唾液の侵入を防いでくれるのです。
ただし、ゴムアレルギーであれば使用できないこともあるので、注意しましょう。
ラバーダム防湿は何のために行う?
ラバーダム防湿は、根管治療の際に行われることが多い方法です。
しかし、具体的には何の目的で行われるのでしょうか?
ラバーダム防湿を行う主な目的について、具体的に解説します。
根管治療のときは歯の根が露出するため、そのままでは唾液が付着します。
唾液には口腔内に存在する様々な細菌が含まれているため、唾液を防ぐことによって、根管に細菌が侵入するのを防いでいます。
唾液が根幹部分から侵入すると、骨や神経にも細菌が入り込んでしまうことがあります。
細菌の侵入を、ラバーダム防湿によって防ぐのです。
また、高濃度の殺菌消毒材を使用すると口腔内の粘膜がダメージを受けることがあるため、粘膜を保護するためにも使われます。
歯の詰め物には、30年ほど前まで歯科用の水銀が用いられていました。
アマルガムと呼ばれる、無機水銀と銀や銅、スズ、亜鉛などの合金なので、誤って飲み込むと健康被害につながる恐れがあります。
昔治療した歯の詰め物のアマルガムを安全に除去するために、ラバーダム防湿が使われることもあります。
補綴物を装着する際、接着面に唾液が侵入すると細菌も一緒に侵入してしまう可能性があります。
細菌の侵入を防ぐのも、ラバーダム防湿法の目的です。
以上のとおり、治療を安全に行うためには、ラバーダム防湿法が必要なこともあります。
治療の内容を理解して、安心して治療を受けるようにしましょう。
また、治療器具の誤飲なども防止できます。
まとめ
根管治療では、唾液に含まれる細菌による感染を防ぐ必要があります。
ラバーダム防湿によって、治療箇所に唾液が侵入することを防ぐのです。
根管治療は、歯を残して虫歯を治療するために必要であり、ラバーダム防湿を行うことで成功率を高めることができます。
また、細菌が侵入すると全身に悪影響が及ぶこともあるため、それを避けるためにも、ラバーダム防湿を行います。