虫歯の治療をするとき、虫歯がある程度進行している場合には、感染している部分を削って治療する必要があります。
しかし、虫歯の治療をするからといって、むやみやたらに削っていいわけではありません。
削る量は、最小限にとどめるべきです。
歯を削る量を抑える理由と、削る量を抑える方法について解説します。
削った歯は、元には戻らない
人間の歯は、最初に乳歯が生えて、後で永久歯へと生え変わります。
永久歯に生え変わった後は、一度歯が抜けると二度と生えてくることはありません。
歯を削った場合も同様で、削った箇所が自然に再生されることはないのです。
虫歯の治療では、虫歯菌に感染している部分を削って除去することで、他の歯に広がらないようにします。
少しでも残っていると感染するかもしれないので、徹底的に削らなければなりません。
しかし、削った歯はたとえ虫歯が治ったとしても、元に戻ることはないのです。
削った歯が再生しない以上、削る量はできるだけ抑えなくてはいけません。
削った量は、歯の健康に大きく影響します。
虫歯の治療で歯を削ると、歯の寿命が短くなります。
削る量が小さければ小さいほど、削られる寿命も少なくて済むのです。
ゆえに、なるべく削らずに歯を守ることが大切です。
歯を削る量を最小限に抑える方法
虫歯の感染部分のみをしっかりと削ることで、歯を削る量を抑えることができます。
歯を削る量を少なくするためには、どのような方法をとる必要があるのでしょうか?
歯を削る量を少なくするために必要なのが、マイクロスコープです。
マイクロスコープは、肉眼の数十倍の大きさで感染部分を見分けることができます。
使用によって感染部分をしっかりと確認できるため、必要最小限の量だけを削ることができるのです。
肉眼で感染部分を見分けて削る場合、感染部分と健康な部分との境界線がはっきりと見えず、念のために広く削らなければなりません。
しかし、マイクロスコープを使用した場合は、境界線をはっきりと見極めることができるので、細かい部分までしっかりと感染状況を判断して削ることが可能です。
歯を削りすぎると、被せものを着けてから数年後に根元から抜けてしまったり、歯が割れてしまったりする恐れがあります。
長く歯を残すためにも、歯をあまり削らないようにすることが大切です。
まとめ
虫歯の治療では、感染している部分を削り取って除去する必要があります。
歯を削る量が少なければ少ないほど歯の寿命も残るため、削る量を最小限にとどめるべきです。
歯を削る量を最小限にするには、マイクロスコープの使用によって歯を拡大して診察し、感染部分だけを削り、健康な部分を削らないようにすることが大切です。
歯を長く使うためにも、削る量をなるべく少なくしましょう。