歯科を受診するきっかけの多くが、虫歯や歯周病、あるいは歯が取れた等、何らかの異常の発生です。
よって、口内で何らかの異常が発生した後に歯科医院に行く人が多いのですが、実は、トラブルを未然に防ぐことを目的とした予防歯科があることはご存知でしょうか?
予防歯科は非常に重要です。
今回は、予防歯科の重要性について、解説します。
予防歯科の内容は?
歯を毎日しっかりと磨いているつもりでも、気が付いたら虫歯や歯周病になっていることがあります。
そうならないように、虫歯や歯周病の原因となるプラークや歯石を除去する処置を行うのが、予防歯科です。
歯が痛む等の症状を自覚してから歯科医院に行く人が多いのですが、一度トラブルが起こってから治療を始めると、完治までに長い時間がかかります。
虫歯を治療する際は、歯を削ります。
一度削った歯は、髪の毛や爪とは違い、元に戻ることはありません。
永久歯を抜いた場合も同様です。
また、虫歯が進行している場合には、神経を抜くこともあります。
神経を抜くことによって痛みを感じにくくなり、快適に思えるかもしれません。
しかし、歯の寿命は短くなってしまうのです。
歯の健康を保つためにも、毎日の歯のメンテナンスは欠かせませんが、丁寧かつこまめに歯を磨いていても、落としきれない汚れはどうしても出てきてしまいます。
その汚れが、虫歯や歯周病の原因となるのです。
上記のような状態を回避するため、クリーニングを行い、汚れを徹底的に落とすのが予防歯科です。
欧米諸国において、予防歯科は一般的です。
予防歯科が浸透していることもあって、高齢者でも歯が健康なケースが多く、例えばスウェーデンの場合は80歳以上でも平均21本の歯が残っています。
予防歯科の重要性
予防歯科を受診すると、虫歯や歯周病などの原因となる汚れを除去して、感染を防ぐことができます。
感染してから治療するのではなく、感染自体を防ぐため、歯の健康に与えるダメージがほとんどなくなるのです。
歯に起こるトラブルの影響は、口腔内だけに留まらず全身に及びます。
歯周病は、歯茎だけではなく、誤嚥性肺炎や糖尿病、心筋梗塞などを引き起こすリスクがあります。
また、歯を失い、しっかりと噛むことができなくなれば、胃腸にかかる負担が大きくなってしまうのです。
歯を起因とした病気を回避するためにも、予防歯科は大切です。
病院の場合、健康診断などを除き、一般的には体調が悪くなってから通います。
一方、歯科医院の場合、口腔内に特段のトラブルがなくても、その状態を維持するために通うことが大切です。
クリーニングを受けて歯をきれいにするだけであれば、それほど治療費もかかりません。
虫歯や歯周病などトラブルが起きて治療する場合には、何度も歯科医院に通わなくてはならず、その分、治療費も高くなります。
予防歯科は、治療費の抑制という意味においても重要なのです。
まとめ
歯は、毎日丁寧に磨いていても虫歯になることがあります。
歯磨きは言うまでもなく大切ですが、それだけでは虫歯や歯周病を完全に防ぐことはできません。
虫歯や歯周病になるのを防ぐためには、予防歯科を受診し、歯磨きでは落としきれない汚れを落としてもらい、虫歯を初期段階で発見して治療することが大切です。
歯の健康を守るために重要な予防歯科を、定期的に受診しましょう。