根管治療では、マイクロスコープやCTなどの機器を使用して治療を行いますが、マイクロスコープやCTがどのような役割を持っているのか知らない、という人もいるでしょう。
根管治療において、どちらの機器も欠かすことができない重要な役割を持っています。
マイクロスコープやCTの具体的な役割について、解説します。
マイクロスコープの役割
マイクロスコープは、根管治療で治療する、歯の根の内側にある非常に細い根管内部を診るために欠かせない器具です。
感染している部分は黒くなっているのですが、細すぎて肉眼では確認できません。
このような場合にマイクロスコープを使用すると、治療する箇所を肉眼の4倍から最大で80倍まで拡大することが可能なので、治療する箇所をはっきりと見ながら治療できます。
感染部分が残るとすぐに再発し、周囲まで削ると歯にダメージを与えてしまいます。
そのため、マイクロスコープを使用して感染部分だけをきちんと削り取ることが大切です。
また、根管は先の方になると暗くて見えないことがありますが、マイクロスコープにはライトが先端についているため、奥までしっかりと照らすことができます。
歯茎の下にある歯石などを確認する際にも、非常に役立つのです。
マイクロスコープがなければ、頼れるものは不十分な確認と歯科医師の経験だけになってしまうため、根管治療の成功率はかなり低くなってしまうでしょう。
マイクロスコープがあれば、成功率は格段に高くなります。
CTの役割
歯科医院では、歯科用CTという口内だけを対象とした小型のCTを使用するところもあります。
CTにより、骨や歯の詳細な状態を確認可能です。
根管治療では、歯茎の中に埋まっている歯根部分のさらに内側の根管を治療しますが、根管は外から見えないため、本当に根管が感染しているのかわかりません。
根管の状態を確認するためにも、CTが必要となるのです。
歯科といえばレントゲンがあるので、レントゲンでいいのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、CTの場合は歯を立体的に見られるため、感染部分をはっきり確認できるのです。
以前であれば、虫歯の治療をした被せものを外さなければ確認できなかった根管も、CTがあれば簡単に確認できます。
根管治療を行う際に、CTは欠かせないものといえるのです。
まとめ
マイクロスコープとCTは、どちらも根管治療には欠かせません。
マイクロスコープは、根管の状態をはっきり見て奥深くまで確認し、治療が必要な箇所と治療内容を判断して、実際に治療を行う際に役立ちます。
CTは、治療を始める前の段階で根管に感染している部分があるのか確認するために必要なもので、レントゲンとは違ってより詳細な確認をしたうえで判断できます。
根管治療は、マイクロスコープとCTがある歯科医院で受けましょう。