虫歯の治療の中には、歯根の中の根管という部分を治療して抜歯を防ぐ、根幹治療というものがあります。
根管治療の際は、根管をきれいにするために洗浄を行います。
洗浄には機械的清掃と化学的清掃があり、化学的清掃で重要になるのが「ネオクリーナー」という薬剤です。
ネオクリーナーについて解説します。
根管内の清掃
根管治療とは、根管内に細菌が感染した状態のとき、抜歯するのではなく根管内を治療して歯を残すというものです。
根管内の治療をする際は、根管内を清掃しなくてはいけません。
根管内の清掃の方法には、機械的清掃と化学的清掃の2つがあります。
機械的清掃とは、主に根管内で細菌に感染した部分を削り取ることをいいます。
機械的清掃は、根管内を対象として虫歯治療と同じことを行います。
根管内に感染した細菌は層になってへばりついているため、消毒薬ではほとんど効果がなく、削り取る必要があるのです。
一方、化学的清掃は、根管内の消毒や内部に落ちた歯髄片の除去などのために行います。
化学的清掃では専用の薬剤を使用する点が、機械清掃との違いの一つです。
化学的清掃で使用される薬剤には、次亜塩酸ナトリウム水溶液のNCと、EDTAという薬剤があります。
次亜塩酸ナトリウム水溶液のNCが、「ネオクリーナー」です。
ネオクリーナーとは
ネオクリーナーは、次亜塩酸ナトリウム10%を含む薬剤です。
次亜塩酸ナトリウムは消毒や殺菌に用いられるもので、新型コロナウイルスの消毒にも有効ということでも注目された薬剤です。
塩素系除菌漂白剤の主成分でもあり、消毒に用いる際は0.02%などかなり薄めて使用されますが、ネオクリーナーは10%という高濃度で配合されているのです。
根管清掃をする際は、ネオクリーナーに浸した小綿球を根管内に貼り付けるか、中に直接注入しながらリーマーやファイルを用い、根管内に浸した後で探針を用いて内部を洗っていきます。
清掃作用としては、ネオクリーナー5mlに歯髄片を浸した際は最短で1分、最長でも5分以内に溶解しています。
また、すべての微生物に対する殺菌作用を示しています。
まとめ
根管内の清掃には機械的清掃と化学的清掃があり、化学的清掃で用いられる2つの薬剤のうちの1つが、ネオクリーナーです。
ネオクリーナーは、消毒などに用いられる次亜塩酸ナトリウムを10%含有している薬剤で、歯髄片を短時間で溶解させられるなど根管内の清掃において重要な働きを持っています。
強力な抗菌・抗ウイルス作用のあるネオクリーナーは、人体に悪影響を与えないよう事前対策を行ったうえで根管清掃に使用します。