歯科医院に行くことを嫌がる子どもは珍しくありません。
まだ歯科治療を受けたことがない子どもが嫌がるのは、歯科医の見た目や治療器具の音などが怖いからです。
一方、治療経験のある子どもが嫌がるのは、見た目や音以上に、治療が痛かったからでしょう。
子どもを歯医者嫌いにしないためにも、痛みを抑えた小児歯科治療を利用しましょう。
麻酔液が痛みの原因になることも
歯科医院で治療をした際に痛みを感じるのは、歯を削る時だと思う人も多いでしょう。
しかし、歯を削る時には麻酔をかけることが多いため、痛みをほとんど感じません。
痛みを感じることが多いのは、麻酔液を注入する時です。
治療の前に麻酔液を注射するため、針を刺す時の痛みがあります。
また、麻酔液が冷たかったり熱かったりすると、痛みが強くなります。
麻酔を打つ時の痛みを抑えるためには、工夫が必要です。
小児歯科の中には、麻酔を打つ際の痛みを少なくするために、塗るタイプの麻酔液を歯茎に塗布するところもあります。
表面に麻酔をしてから注射で麻酔液を注入することで、注射針を刺す際の痛みが軽減されるのです。
また、注射針も痛みを少なくするための大事なポイントです。
注射針は、細いものほど痛みが少ないため、針をなるべく細いものにすることで、痛みを抑えます。
なお、最も細い針は33Gといいます。
麻酔液も、冷たすぎず熱すぎないよう人肌程度に温めてから使用することで、痛みの抑制が可能です。
37度程度が適温です。
麻酔液の注射方法とテクニック
麻酔を注射する際は、できるだけゆっくり注入した方が痛みは少なくなります。
しかし、あまりゆっくりしていると、不安を掻き立てられるかもしれません。
適切なスピードに調整するのは、難しいでしょう。
その問題を解消したものが、電動麻酔注射器です。
電動麻酔注射器は、コンピュータ制御によって自動的に適切なスピード、圧力で注射することができます。
麻酔の痛みを大幅に緩和できるのです。
麻酔をする場所によって、痛みの強さも変わります。
痛みを感じやすい場所や感じにくい場所があるため、適切な場所を選んで注射するのは歯科医のテクニックです。
また、子どもの気をそらしたタイミングで素早く注射するというのも、痛みを抑えるために必要なテクニックといえます。
子どもにかかる負担を少なくするため、工夫して痛みを抑えているのです。
まとめ
子どもの歯を治療する小児歯科では、子どもが歯医者を嫌がらないよう痛みを抑える工夫をして治療を行っています。
特に痛みがあるのは麻酔なので、麻酔に使用する針を極細のものにしたり、先に塗る麻酔液を塗布したり、麻酔液を事前に温めておいたりします。
また、麻酔の注射を専用の機器で行うことで、痛みを感じにくい速度での注射が可能です。
加えて、歯科医のテクニックも重要なポイントといえるでしょう。