虫歯になった時は感染している部分を削って除去しますが、虫歯が進行すると根の部分まで感染してしまい、抜歯することになってしまいます。

一度抜いた永久歯は、二度と生えてきません。

ゆえに、「できれば抜歯はしたくない」という人もいるのではないでしょうか。

実は、虫歯が進行した場合でも、エクストリュージョン法という治療で歯を残すことができる可能性があります。

エクストリュージョン法とは何か、解説します。

エクストリュージョン法とは？

虫歯の治療をした後は、詰めものや被せものを装着して治療した箇所を覆います。

詰めものや被せものを着けるには、土台となる歯が必要です。

歯の根まで虫歯が進行していると、歯茎の上部分は全て削ることになるため、土台がなくなってしまいます。

歯の根しか残ってない場合は、通常であれば抜歯してインプラントやブリッジ、部分入れ歯などの治療を行います。

しかし、できるだけ抜歯せずに歯を残しておきたいと思う人もいるでしょう。

歯を残しておきたい時に行われる治療の1つが、エクストリュージョン法です。

矯正的挺出や歯根廷出とも呼ばれる治療で、歯肉縁下の歯の根を矯正的に上へと引っ張り上げて、被せものの土台として活用します。

エクストリュージョン法のメリットとデメリット

エクストリュージョン法は歯を保存できる治療方法で、歯を大切にしたい方におすすめです。

一度抜歯しなくてはいけないと言われた歯も、残すことができるケースがあります。

歯を残して被せものを着けると、ブリッジを着けるよりも歯磨きがしやすいため、口内環境を清潔に保ちやすくなります。

他の歯の虫歯も予防できるため、全体の歯の健康を保つことにもなるのです。

デメリットと、保険が効かない自由診療という点が挙げられます。

保険適用の治療であれば、自己負担額は最大でも3割なので治療費の負担は少ないのですが、自由診療は全額自己負担となるため、高額になります。

また、歯を挺出させるときは歯を支える骨ができるまでしばらく待つ必要があるため、治療にかかる期間は数か月に及びます。

外科的な処置も必要となるため、持病がある場合は治療ができない可能性もあることに注意が必要です。

まとめ

虫歯の治療で抜歯が必要とされた時でも、歯の根を矯正的に挺出するエクストリュージョン法であれば、歯を残して治療できる可能性があります。

歯肉に埋まった歯の根を引き上げて被せものの土台にすることができれば、歯の根を残しておくことができるのです。

ただし、必ず治療できるとは限らず、そもそも扱っている歯科医院も限られます。

もしも治療を希望する場合には、扱っている歯科医院を探してみてください。

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