普段意識せず行っている習慣、いわゆる癖の中には、歯並びの悪化を招くものもあります。
「たいしたことは無いだろう」と高をくくっていると、後になってから顎関節症や虫歯、歯周病、顔の歪みなどの問題を抱えることになるため、軽視することはできません。
歯並びに影響する癖には、どのようなものがあるのでしょうか?
主な癖について解説します。
歯並びに悪影響を及ぼす癖とは?
普段何気なく行っている癖の中には、歯並びに悪影響を及ぼすものもあります。
たとえば、指しゃぶりはその一つです。
小さい子供によく見られる癖ですが、なかなかやめられない子供も少なくありません。
指しゃぶりを続けていると、出っ歯の原因になったり、歯の噛み合わせに影響を及ぼしたりすることがあるので放置は禁物です。
影響の強さは、指を吸う強さや回数、続けている期間等によって異なります。
また、口呼吸も歯並びに悪影響を及ぼします。
鼻炎などによる鼻づまりのために、仕方なく口呼吸をしていると、次第に歯並びが悪化します。
なぜなら、口呼吸は顎の成長を妨げるうえに、前歯を舌で押し出す動作が増えるからです。
口が常に開いた状態になるため、口内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクも高めてしまいます。
舌が正しい位置にない、舌癖という癖もあります。
舌が通常よりも前歯に近く、押し出すようになっていることで、出っ歯になることがあるのです。
また、頬杖も歯並びに悪影響があります。
手が当たっている部分の歯が下に入り込んでしまうため、ずっと同じ場所に頬杖をついていると、次第に顎や頬骨が変形するかもしれません。
癖を改善する方法
歯並びに悪影響がある癖は、改善したくても無意識のうちに行っていることが珍しくありません。
改善するためには、どのような方法があるのでしょうか?
方法としてまず挙げられるのは、マイオブレースです。
マイオブレースとは、5歳から8歳の間に装着するマウスピース型の装着具で、使用により、舌の使い方や位置を矯正し、口呼吸をやめさせて鼻呼吸を促す効果に期待できます。
また、MFTという方法も癖の改善に期待できます。
MFTとは口周りのトレーニングで、舌の癖や頬杖によって受ける圧力のバランスを整えることが可能です。
MFTには、あいうべ体操やポッピング、スラープ・スワローなどの方法があります。
日常生活を見直すことで、癖を抑えることも可能です。
頬杖や呼吸などを、常に意識して改善していくことで効果が出るかもしれません。
癖は直らないと思うかもしれませんが、続けていくことにより、意識しなくても改善したままの状態になる可能性も十分にあります。
まとめ
日常生活でよく見られる癖によって、歯並びが悪くなることがあります。
小さい子供の指しゃぶりや近年増えている口呼吸、舌癖や普段何気なくついている頬杖などは、全て歯並びに悪影響を及ぼすため、注意が必要です。
癖は無意識のうちに行っているため、なかなか改善できません。
しかし、癖を治すためのトレーニングを行い、意識していれば改善できる可能性は高いでしょう。