
歯周病は、歯を失う原因として最も多い病気であり、日本人のほとんどが患者か予備軍になるといわれています。
歯周病の原因となるのは歯周病菌といわれる細菌ですが、1種類だけではありません。
複数の種類の細菌が原因となるのです。
歯周病の原因となる、歯周病菌の種類について解説します。
歯周病菌の種類とは?
歯周病は、歯周病菌という細菌が原因で発症しますが、歯周病菌とは特定の1種類の細菌ではなく、複数の細菌を指しています。
歯周病には、大きく分けて慢性と進行性がありますが、それぞれ原因となる細菌は異なるのです。
慢性の場合、タンネレラ・フォーサイセンシス、トレポネーマ・デンティコーラ、ポルフィノモナス・ジンジバリスという3種類の細菌が主な原因となっています。
進行性の歯周病であれば、アクチノバチラス・アクチノミセテムコミタンスという細菌が原因です。
また、妊娠中の歯周病は他のものとは異なることがあり、プレボテラ・インターメディアが原因となるケースもあります。
歯周病菌は、歯に付着している食べかすなどの汚れを細菌が分解し、プラークを産生することで増殖します。
プラークとは、歯垢ともいわれるねばねばとした白い物体で、口内にいる細菌が増殖する原因となるのです。
プラークが固まると歯石になり、歯に強くくっつくため、いくら歯を磨いても落とすことができません。
歯石になると歯を磨くだけでは除去できないため、除去するための治療を歯科医院で受ける必要があります。
歯周病菌が増える原因は?
歯周病菌が増えるためには餌となる栄養が必要です。
歯周ポケット内では歯肉からアミノ酸が出てきて歯周病菌の餌になっています。
また、唾液に含まれているアミノ酸や、歯に付着した食べかすに含まれる糖類が原因となることもあるのです。
細胞分裂によって増殖していきますが、口内には栄養が豊富にあり、細菌が増殖するのに適した温度・湿度となっています。
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、内部はさらに繁殖に適した環境となってしまうのです。
しかし、歯周病菌は本来であれば最大で20分おきに分裂できますが、唾液の働きや細菌同士が拮抗することで4~5時間おきになります。
歯周病の原因となる細菌は複数いて、相互に協力することで発症するため、細菌が増えるのを防止できれば、歯周病になる可能性も低くなるでしょう。
細菌の増殖を防ぐためにも、原因となるプラークはこまめに除去し、普段からケアをきちんとしておいてください。
まとめ
歯周病の原因となるのは歯周病菌と呼ばれる細菌ですが、細菌の種類は1種類ではありません。
何種類かの細菌がいて、それぞれ異なる特徴があるのです。
慢性か進行性かによっても異なり、妊娠中にだけ歯周病の原因となる細菌もあります。
ただし、症状に大きな違いはありません。
歯周病のもとになる細菌は、歯に付着したプラークや歯石などが原因となって増殖するため、予防にはクリーニングを受けて歯をきれいにすることが肝要です。