「舌痛症」という病名を聞いたことはあるでしょうか?
口内の粘膜が痛くなっている場合は舌痛症と診断されることがあります。
舌痛症とは一般的に原因がわからない口内の粘膜の痛みの症状を指したもので、いくつかの段階があるのです。
具体的にどのような病気なのか、解説します。
どのような病気なのか?
舌痛症という病名を聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか?
名前の通り、舌の痛みに関する病気ですが、口内の粘膜全体に生じる痛みのことも同様に呼ばれることがあります。
定義としては、口の中の痛みや不快な感覚が3ヶ月以上毎日のように繰り返されるものであり、原因が明らかではない病態とされているのです。
ちなみに、口内で広範囲に痛みが生じている場合は口腔内灼熱症候群といい、舌痛症はその一種に含まれるとの考えもあります。
症状と特徴
舌痛症の症状といえるのは痛みだけで、口内で明らかに傷があったり炎症が起こったりしているせいで痛みがある場合などは別の病気となります。
自覚している痛みだけが症状であるため、外から見てもわかりません。
本人の訴えでしか痛みがあることがわからないため、なかなか理解してもらえないでしょう。
舌痛症の特徴として、痛みがときに重篤となることが挙げられます。
仕事や日常生活に支障が出ることもあるため、医療機関の受診が必要です。
痛みには波があり、人によっては不安やうつを伴って睡眠障害に悩むケースもあるようです。
社会的ストレスと痛みには密接な関係があり、仕事や家庭で不快な出来事があると痛みが増していきます。
ヒリヒリとした痛みや刺すような痛みと形容され、顔の中心を挟んで左右に起こることが多いでしょう。
口内の粘膜表層に痛みが起こり、口内の乾燥を訴えることも多く、味覚障害が起こることもあります。
既述したように、舌痛症は原因がはっきりとしていません。
他の病気の可能性をすべて否定したうえで当てはまる病気です。
他の病気の可能性を否定したうえで判断されるものを一次性といいますが、今まで明らかになっていない病気の集まりという可能性もあります。
同じ症状を示す不確定な病態をまとめて症候群と呼ぶため、舌痛症は口腔灼熱症候群と同一視されているのです。
まとめ
舌痛症は、舌の痛みだけではなく口腔内の粘膜全体に起こる痛みを指し、その中でも痛みの原因がはっきりしていない病態があてはまります。
口腔内灼熱症候群の一症例という位置づけです。
歯茎の腫れや傷など明らかな原因がなく、他の病気の可能性を全て否定したうえで口内の痛みという症状だけが残った場合に診断されます。