部分入れ歯は残っている歯に専用のバネを掛けて固定する仕組みの義歯です。
その構造上、支えとなる歯が不可欠であり、その歯が抜けてしまうと入れ歯を再装着することができません。
部分入れ歯の利用者にとって、この「支えを失うトラブル」は決して珍しくありませんが、万が一の際にはどう対処するのが正解なのでしょうか?
今回はその具体的な対処法とともに、歯の機能低下を防ぐための方法についても解説します。
支えになる歯が抜けたときの対処法
部分入れ歯は残っている歯にバネを掛けて固定し、失った歯の機能を補う義歯です。
しかし、支える歯は構造上どうしても持続的な負担がかかりやすく、次第に弱って抜けてしまうことも少なくありません。
そのまま放置すると周囲の歯が動いて噛み合わせのズレなどのトラブルを招くため、早めの受診が必要です。
この時、残った歯根を自身で引き抜こうとしたり、合わなくなった部分入れ歯を無理に装着したりすると、お口の状態をさらに悪化させるため、やめましょう。
速やかに歯科医院を受診し、修理や作り替え、あるいは他の最適な治療選択肢を検討することが重要です。
支えの歯が抜けた場合の治療方法
支えとなる歯を失った後のリカバリーには、お口の状態に合わせていくつかの選択肢があります。
1つは部分入れ歯の継続です。
今の入れ歯に付け足して修理するか、ばねの位置を変更して作り直すことで対応できます。
他方、ほかの歯の健康に配慮する場合には、インプラント治療を選択することも可能です。
これは人工歯根を骨に埋め込んで独立させるため、ほかの歯に一切負担をかけません。
また、支えとなる歯が周囲に十分にある場合には、より広範囲のブリッジ治療も選択肢に入ります。
ただし、ブリッジ治療は支えとなる歯への負担が大きく、奥歯がない場合には適応できないことも考慮しなければなりません。
さらに、新しい選択肢として、「ソケット」や「エステショット」という特殊な部分入れ歯もあります。
シリコン製のソケットなら、健康な歯を削ることなく、2週間程度の短期間での製作が可能です。
一方、エステショットはポリエステル樹脂で作られており、金属のバネを使用しないため、見た目が自然です。
どちらもメリットとデメリットがあるため、お口の状態に合うかどうかも含めて歯科医院で相談しましょう。
なお、歯が抜けたまま放置していると、顎関節症や頭痛などの原因にもなり、ほかの歯の負担を増大させます。
将来のお口の健康のためにも、最適な治療法を歯科医師によく相談してください。
まとめ
部分入れ歯の支えになっている歯が抜けた場合には、放置せずすぐに歯科医院を受診しましょう。
そのままにしておくと、隣の歯が動いて噛み合わせが悪化する恐れがあります。
合わなくなった部分入れ歯は無理に付けず、修理のために保管して歯科医院へ持参してください。
また、歯根が残っていても、無理に抜こうとしてはいけません。
歯科医院では、部分入れ歯の作り直しだけでなく、インプラントやブリッジ、シリコン製のソケットなど、お口に状態に合わせた最適な治療方法を提案してもらえます。